「ワイドハイターとキッチンハイター、混ぜると危険なの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?どちらも“ハイター”という名前がついているため、同じようなものだと思われがちですが、実はまったく別の成分と用途を持つ漂白剤です。
この記事では、酸素系漂白剤(ワイドハイター)と塩素系漂白剤(キッチンハイター)を混ぜたら何が起きるのか?本当に有毒ガスが出るのか?という気になる疑問に、化学的根拠をもとにわかりやすく解説します。
さらに後半では、両者の成分・用途・効果の違いも比較し、安全で効果的な使い分け方まで紹介していきます。
ワイドハイターとキッチンハイターを混ぜるとどうなる?正しい知識と結論
ワイドハイター(酸素系)とキッチンハイター(塩素系)の混合について、メーカーの公式情報と化学的根拠をもとに解説します。
ワイドハイターとキッチンハイター、「混ぜるな危険」とは限らない?
「漂白剤を混ぜると危ない」と言われることが多く、特に“キッチンハイターとワイドハイター”を同時に使っていいのか迷っている人は少なくありません。
結論を先にお伝えすると、これらを混ぜても“塩素ガス”などの有毒ガスは発生しません。しかし――。
花王公式サイトでも、
「酸素系漂白剤(ワイドハイター)と塩素系漂白剤(キッチンハイター)を混ぜても、発生するのは酸素ガスであり、毒性はありません。」
「ただし、密閉状態では圧力がかかって容器が破裂するおそれがあるので、混ぜないように」と明記されています。
つまり、「毒性のあるガスは出ない」=「混ぜても安全」とは言い切れません。
“絶対に混ぜてはいけない”わけではないが、“実用的なメリットもなく、リスクがあるため非推奨”というのがメーカーの立場です。
>>ワイドハイターの液性(酸性・アルカリ性)を解説した記事はこちら!
ワイドハイターとキッチンハイターを混ぜると化学的に何が起きるの?
それぞれの主成分は以下の通りです。
製品名 | 主成分 | 液性 |
---|---|---|
ワイドハイター | 過酸化水素(酸素系) or 過炭酸ナトリウム | 酸性または弱アルカリ性 |
キッチンハイター | 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系) | 強アルカリ性 |
この2つを混ぜた場合、酸素と塩素系漂白剤が中和反応に近い反応を起こし、お互いの効力が弱まります。
このため、たとえ安全であっても「漂白力が落ちる=意味がなくなる」という問題があるのです。
さらに、密閉されたスプレーボトルや容器に入れた場合、酸素ガスが発生し続けてしまい、最悪の場合は容器が破裂するリスクがあります。
ワイドハイターとキッチンハイター、混ぜた人はいる?口コミと公式見解
ネットのQ&AサイトやSNSでは、
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「混ぜて使ってみたけど問題なかった」
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「白くなるかと思ったのに、効果なかった」
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「泡がモコモコ出て容器がパンパンになった」
といった声が見られます。これらの声は、メーカーが指摘している内容と一致しています。
花王のFAQにも、
「酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜても毒性のあるガスは発生しないが、性能が落ち、密閉容器での使用は危険」とあります。
つまり、安全性の面では致命的なリスクはないものの、化学的にも実用的にも混ぜる意味がないということです。
>>ワイドハイターと浴槽を使ったつけおきに関する記事はこちら!
ワイドハイターとキッチンハイターの違いとは?用途と成分を完全比較
“ハイター”という名前が共通していても、実は中身はまったくの別物。
成分、使えるもの、効果など、2つの製品の違いを詳しく見ていきましょう。
ワイドハイターとキッチンハイター、どちらも「漂白剤」でも全くの別物!
一見、似た名前を持つ「ワイドハイター」と「キッチンハイター」ですが、その成分や使用目的は大きく異なります。
比較項目 | ワイドハイター | キッチンハイター |
---|---|---|
漂白の種類 | 酸素系漂白剤(過酸化水素、過炭酸ナトリウム) | 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム) |
液性 | 酸性または弱アルカリ性 | 強アルカリ性 |
主な用途 | 衣類の漂白・除菌・消臭 | 台所用具の漂白・除菌(まな板・ふきんなど) |
色柄物への使用 | OK(ウール・シルクも可) | NG(白物専用、色柄物や金属製品は不可) |
ニオイ | 花の香りなどやさしい香り | 独特の塩素臭 |
ワイドハイターとキッチンハイターの違い!使えるシーン・使えないシーン
ワイドハイターが向いているのは:
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衣類の黄ばみ、黒ずみ
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赤ちゃんやペット用品
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色柄物の洗濯
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消臭・抗菌目的
キッチンハイターが向いているのは:
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まな板・ふきんの除菌
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食器や水筒の漂白
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排水口や三角コーナーの除菌
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生肉・魚などが触れた調理器具の殺菌
>>ワイドハイターと食器用洗剤を混ぜるとどうなるかを解説した記事はこちら!
ワイドハイターとキッチンハイター、安全ポイントと使い分け方
では、どうやって正しく使い分ければいいのか?
家庭で安全に、かつ最大限に効果を発揮させるためのポイントを紹介します。
ワイドハイターとキッチンハイター、特性を活かして正しく使い分けよう
混ぜるのではなく、それぞれの特徴を活かして使う場所と目的で使い分けるのが最も賢明です。
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衣類や布製品 → ワイドハイター
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台所まわり → キッチンハイター
同じ「漂白剤」でも、目的に合わせて選ぶことで、洗浄効果も安全性も最大限に発揮できます。
まとめ:ワイドハイターとキッチンハイターは混ぜない、分けて使う!
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ワイドハイターとキッチンハイターは化学的に混ぜても危険性は低いですが、
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効果が落ちて意味がなくなり、容器が破裂するおそれがあるため混合は非推奨。
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成分も用途も異なるため、混ぜるよりも「使い分け」が最も安全で効果的。
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